引越し時には、今まで使っていた家具や家電が不要になったり、これを機に衣類や書籍などを処分したりする人も多いです。
引越し準備で忙しい中、不用品の処分まで手がまわらない、どう処分するのが正解かわからないと悩むこともあるでしょう。
引越し大手の日本通運株式会社が、男女100名に対し「引越しの粗大ゴミの処分、どこに頼みますか?」という質問をしました。
その結果、「引越し業者(42%)」「不用品回収業者(32%)」「どこにも頼まない(26%)」という割合になったそうです。
「どこにも頼まない」には、おそらく自治体での処分や買取・売却などが含まれていると予想できます。
そこで、当コラムでは引越し業者、不用品回収業者を含む、引越し時の不用品の処分方法5つをご紹介いたします。
各処分方法の特徴やメリット・デメリット、対応可能な引越し業者、不用品を処分する際の注意点など必要な情報をまとめました。
引越しを検討している、引越し期日が近づいていて処分方法を探している、という人はぜひ当コラムを参考にしてください。
引越し時の不用品を処分する方法は5つ!メリット・デメリットを比較
引越しの際に出た不用品を処分する方法は5つあります。
この章では、各処分方法の特徴やメリット・デメリット、どんな人におすすめなのかをわかりやすくまとめています。
引越し時の不用品の処分方法
不用品処分も行っている引越し業者を見つけて依頼する
不用品処分も行う引越し業者に依頼すれば、手間のかかる引越し作業も、不用品の処分も一度に終えることができます。
ただし、回収可能な不用品は限られるケースがほとんどです。
引越し当日に回収できないことが発覚しても困るので、契約前に不用品処分については相談しておきましょう。
不用品回収業者に処分品を全部まとめて回収してもらう
不用品回収業者に依頼すれば、家具・家電・衣類・書籍類など、ほとんどの不用品や粗大ゴミをまとめて処分できます。
事前の分別は不要、大型廃品の分解作業も任せられる、回収日時の融通が利く、など利便性の高さが特徴です。
不用品の買取や引越し作業、ハウスクリーニングなど、関連するサービスを行っている業者も多いです。
自治体の粗大ゴミ収集やゴミ処理施設への持ち込みを利用する
可燃ゴミや不燃ゴミ以外の大型の不用品も、粗大ゴミとして自治体に引き取ってもらえます。
粗大ゴミ収集では、申請後に粗大ごみ処理手数料券を購入し、必要事項を記入した券を粗大ゴミに貼って所定の場所へ出します。
ゴミ処理施設への持ち込みでは、受付可能な日時に直接持って行けば引き取ってくれます。
自治体ごとに回収が可能な品目や申請方法、持ち込み条件が異なるので、事前に確認しておきましょう。
リサイクルショップや買取業者に査定後、買取してもらう
ブランド品や貴重品以外にも、状態が良くまだ使用できる品や人気の家具・家電などであれば買い取ってもらえる可能性があります。
汚れを落としてきれいにしておく、取扱説明書などの付属品を揃えておくと、査定額が上がる傾向があります。
また扇風機やコートなどの季節物は、需要が増える時期の直前に買取に出すと高値がつきやすくなります。
査定に出したけれど値段がつかなかった場合は、他の方法で処分するしかありません。
引越し日の直前だと困ることになるので、少なくとも数日は余裕を持って査定に出すことをおすすめします。
フリマアプリやネットオークションを利用して自分で売る
フリマアプリやネットオークションを利用する方法なら、査定で値段がつかなかった不用品でも売れることがあります。
売れれば臨時収入になりますし、自分で販売価格を設定できるのも嬉しいポイントです。
しかし確実に売れる保証はなく、いつ売れるかも不明、出品作業や購入者希望者とのやり取り、発送手続きなどやることも多いです。
それでも、時間的に余裕があり、少しでも収入につなげたいという方は挑戦してみると良いでしょう。
引越し日までに手放したいのであれば期日を決めて取り組み、期日が来たら他の処分方法を検討してください。
引越し業者に不用品処分を依頼する場合は条件や対象品目を確認
引越し業者が行う不用品処分サービスは、あくまでもオプションメニューとしての位置付けです。
そのため、利用する前に条件や対象品目をしっかりと確認しておきましょう。
●あくまでも引越しを依頼してくれた人に向けたオプションサービス
不用品の処分は、引越しを依頼してくれたお客様へ向けたサービスです。
当然、不用品の処分だけを依頼することはできません。
●回収可能な品目が限られている
回収可能な品目は引越し業者によっても異なりますが、どこも対象品目はあまり多くありません。
「家電4品目のみ」「家電4品目と一部の家具のみ」「家具・家電のみ、家電4品目は対象外」など様々です。
処分したい不用品が回収対象なのかは事前に確認しておく必要があります。
●不用品処分を行っていない引越し業者のほうが多い
不用品処分を行っている引越し業者は、現状多くはありません。
大手の引越し業者でも、基本的には自治体や不用品回収業者などでの処分を推奨しています。
不用品の処分や買取を行っている引越し業者を6社ご紹介
この章では、不用品の処分や買取に対応している大手引越し業者6社をご紹介し、対応内容や特徴を比較します。
自社で不用品の処分と買取の両方を行っているところは、アーク引越センターのみです。
しかし、回収が可能なのは家電4品目だけと限られますし、FC店では家電4品目でも回収不可となります。
アップル引越センターは自社で不用品処分を、買取は大手リサイクル会社と提携することで幅広い品目に対応しています。
引越し業者名 | 不用品処分 | 不用品買取 | 特記事項 |
サカイ引越センター | × | 〇 | 委任状を用意することで不用品を回収してくれるエリアもある |
アリさんマークの引越社 | 〇 有料にて不用品処分の取り次ぎが可能 | × | 生活ゴミ、スプレー缶など回収できない品目がある |
アーク引越センター | △ 家電4品目のみ回収可能 | 〇 ・無料段ボール箱5箱分の宅配買取を実施(書籍、CD、洋服など) ・ピアノ買取も可能 | FC店に関しては家電4品目でも回収不可 |
アート引越センター | △ 家電4品目のみ回収可能 | × | 自治体での処分を推奨 |
アップル引越センター | 〇 | 〇 | ・大手リサイクル会社とタイアップし不用品買取サービスを提供 ・「資源有効利用促進法」施行(平成15年10月、法人は平成14年4月)以前のパソコンの廃棄はできない |
ハート引越センター | × | 〇 ・宅配買取を実施 | ファストファッション、ノーブランドアイテム、定価5,000円以下のカジュアルアイテムの買取は行っていない |
*日本通運、ヤマトホームコンビニエンスは2024年9月現在、不用品の処分や買取を行っていません
不用品の種類・個数が多いときは不用品回収業者が便利
不用品の種類が多種多様である場合や、サイズが大きい、個数が多いといった場合には不用品回収業者が便利です。
例えば、このようなケースで自治体のゴミ収集を利用するには、まず可燃ゴミ・不燃ゴミ・粗大ゴミに分別しなければいけません。
分別後は、それぞれを別の日、別の方法で回収してもらうため手間も時間もかかります。
加えて、家電4品目や消火器、タイヤなど回収できない品物も多々あります。
引越しの準備で忙しい合間を縫って、これらの作業を行うのは非常に困難です。
不用品回収業者なら、面倒な事前準備も一切不要で、依頼者の都合にあわせて回収に来てくれます。
便利な分、処分費用は他の方法に比べると高額になりますが「時間がない」「引越し準備が進まない」という人には強い味方です。
引越しで不用品処分が必要な場合はこの4つに注意しよう
引越し時の不用品処分での注意点を4つご紹介します。
準備に追われる中でも、この4つだけは忘れずに確認してくださいね。
●不用品の処分は、引越し日を見越して計画的に進める
自分で不用品を処分する場合、予想していたよりも手間や時間がかかることがあります。
ギリギリになって引越し当日までに間に合わないと焦ることがないように、計画的に処分を進めましょう。
●家電リサイクル法対象品の処分にはリサイクル料金がかかる
家電リサイクル法対象品(テレビ、エアコン、洗濯機、冷蔵庫)の処分には、家電リサイクル料金と収集運搬料金がかかります。
家電の種類やメーカーによって家電リサイクル料金は異なるので、事前に確認しておきましょう。
収集運搬料金は、処分を行う業者ごとに設定されていて相場は2,000~3,000円ほどです。
また、自治体に引き取ってもらう場合には事前に手続きやリサイクル料金の支払いが必要になります。
●引越しシーズンや年末年始は処分費用が高くなる
3月、4月の引越しシーズンや、不用品を処分する機会が増える年末年始は処分費用が高くなる傾向があります。
引越し時期をずらせたら良いのですが、それが難しいなら不用品の処分だけでも時期をずらして行うのがおすすめです。
●違法な業者には依頼しない
家庭から出る不用品を回収するには「一般廃棄物収集運搬業許可」が、中古品の買取には「古物商許可」が必要です。
これらの許可を得ていない業者に依頼すると、不法投棄などの犯罪被害に巻き込まれる可能性があります。
不用品処分を行っている引越し業者でも、許可を得ていないことがあるので注意しましょう。
もちろん不用品回収業者やリサイクルショップ、買取業者も同様に、許可の有無を確認してください。
まとめ
筆者の友人は、引越しの際に不用品の処分が間に合わず、新居まで持って行く羽目になったそうです。
このようなケースでは、引越しに追加料金が発生してしまうこともあり、いかに計画的な処分が大切かがわかるエピソードです。
引越し時はいつにも増して忙しいものですし、「時間がない」「不用品が多い」という方には不用品回収業者がおすすめです。
引越し業者に不用品の処分も任せる場合は、対象品目や条件を事前に確認しておきましょう。
満足のいくかたちで新生活を始めるためにも、費用、利便性、スピード感などを総合的に判断して処分方法を選択してくださいね。