電子レンジを使用していて「ちゃんと温まらない」「変な音がする」などの異変が見られたら、そろそろ寿命かもしれません。
電子レンジは「小型家電リサイクル法」の対象品で、適切な処分による再資源化への協力が求められています。
そう言われると、どのような処分方法が適切なのかわからないという人もおられるでしょう。
結論を言えば、電子レンジの処分には「自治体に引き取ってもらう」「不用品回収業者に回収してもらう」「家電量販店などの販売店に処分を依頼する」「リサイクルショップで買取してもらう」「フリマアプリやネットオークションで売る」の5つの方法があります。
当コラムでは、これらの処分方法の特徴や費用相場をご紹介するとともに、処分方法の選び方や注意することなども解説いたします。
また、今回ご紹介する処分方法では、電子レンジ以外にもオーブンレンジやスチームレンジも同様に処分できます。
電子レンジの処分や買い替えをご検討中の方は、ぜひ当コラムを読んで参考にしてください。
電子レンジの処分方法5選!それぞれの特徴を詳しく解説
電子レンジを処分する方法は、自治体のサービスを利用する方法や民間業者に依頼する方法、売却する方法など5種類あります。
この章では、それぞれの処分方法の特徴を解説いたします。
電子レンジの処分方法5選
粗大ゴミとして収集に出す・ゴミ処理施設へ持ち込む・拠点回収に持って行く・不燃ゴミとして処分する
①自治体に引き取ってもらう処分方法には4つの手段がある
電子レンジは各自治体のルールに則って処分することができます。
自治体によって申請や回収の方法が異なるので、詳しくはお住まいの自治体のホームページを確認するか問い合わせてください。
手続きや搬出など面倒なことも多いですが、費用が安い点や自治体運営という安心感はとても魅力的です。
●粗大ゴミとして収集に出す
粗大ゴミとして電子レンジを回収してくれる自治体は多いです。
事前に申し込みを行い、手数料分の粗大ごみ処理手数料券を購入して必要事項を記載し、電子レンジに貼り付けます。
回収日の朝に指定された場所へ電子レンジを置いておけば回収されるという流れです。
回収日時を自分で選ぶことはできませんし、混雑状況によっては1カ月以上待たされることもあります。
時間的に余裕がない場合は、別の方法を検討しましょう。
●ゴミ処理施設へ持ち込む
住んでいる地域を管轄しているゴミ処理施設に直接持ち込めば、電子レンジを引き取ってもらえます。
受付可能な日時は自治体によって異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。
●拠点回収に持って行く
小型家電の回収やリサイクルを推進するため、役所や商業施設を拠点に、回収ボックスを設けている自治体があります。
自治体ごとに回収可能な小型家電の大きさは異なりますが、サイズ内であれば電子レンジも持ち込むことができます。
●不燃ゴミとして処分する
電子レンジを不燃ゴミとして扱っている自治体もあり、その場合は普段の不燃ゴミと同じ要領で決まった日に出せば良いだけです。
②不用品回収業者に回収してもらう方法は利便性の高さが魅力
民間の不用品回収業者は、電子レンジのサイズや重量を問わず、自宅まで来て回収してくれます。
朝早くに自力で運び出す必要もなく、他の不用品もまとめて回収してくれる利便性の高さが最大の魅力です。
中には、不用品の査定・買取や引越し作業、遺品整理などの関連サービスを行っている業者もあります。
その分費用は高くなりますが、依頼内容によっては割安になることもあるので、まずは見積もりを取ってみると良いでしょう。
③家電量販店などの販売店に処分を依頼する方法は買い替え時におすすめ
家電量販店などの販売店の多くでは、電子レンジを引き取って処分してくれます。
処分費用や出張費・運搬費の料金設定は、お店によっても異なるため確認が必要です。
中には、買い替えを前提とすれば無料で引き取ってくれるお店もありますし、状態が良ければ買取してくれるお店もあります。
電子レンジを買い替えるなら、新しい電子レンジを購入するお店に引き取ってもらうのがベストでしょう。
④リサイクルショップで買取してもらう方法はまだ新しい製品のときに最適
「新しい製品」「大手メーカーの人気機種」「状態が良く動作に問題がない」の条件に当てはまるなら買取できる可能性が高いです。
電子レンジがまだ使用できる場合は、リサイクルショップや買取業者に査定してもらうと良いでしょう。
少しでも高値をつけてもらうためには、汚れを落としてきれいにし、取扱説明書などの付属品も揃えておきましょう。
⑤フリマアプリやネットオークションで売る方法は時間的な余裕がある人向き
フリマアプリやネットオークションを利用すれば、誰でも簡単に中古品を出品して販売することができます。
販売価格は自分で設定できますし、売れれば臨時収入になるお得な処分方法です。
ただし、この方法はいつ売れるかが不透明なうえ、そもそも必ず売れる保証もありません。
購入者とのやり取りや発送準備など手間も多くかかるため、忙しい人やすぐに処分したい人には向きません。
電子レンジの処分にはいくらかかる?処分方法別の費用相場を比較
電子レンジを処分する際にかかる費用相場を、処分方法別にわかりやすくまとめました。
処分方法 | 費用相場 |
①自治体に引き取ってもらう | 400~1,000円ほど(不燃ゴミとしてなら無料) |
②不用品回収業者に回収してもらう | 単品価格:1,500~5,000円 プラン料金:10,000円~ |
③家電量販店などの販売店に処分を依頼する | 無料~2,200円ほど |
④リサイクルショップで買取してもらう | 処分費用はかからない ※出張費や査定費がかかることもある |
⑤フリマアプリやネットオークションで売る | 処分費用はかからない ※送料や梱包材代が別途かかる |
お得度で言えば、リサイクルショップやフリマアプリ、ネットオークションで売却する方法です。
売れれば臨時収入になり処分費用はかかりません。
家電量販店の場合、数千円で下取りしてもらえるところもあり、新しい電子レンジの購入を検討中ならおすすめの方法です。
ただし、処分だけの場合は処分費用がかかります。
不燃ごみとして回収している自治体なら、無料で処分することができますが、粗大ゴミ扱いの自治体では有料になります。
それでも、処分費用はかなり安価なため、利用しやすい方法と言えるでしょう。
不用品回収業者の処分費用は、業者ごとにかなりの違いがあります。
電子レンジだけを処分するなら単品価格で、他にもたくさん不用品があるならプラン料金で支払える業者を選ぶのが得策です。
自分にぴったりの処分方法を見つける選び方のポイント!
料金の安さやお得さには、つい惹かれてしまいますが、それだけで選んでしまうと後々後悔することがあります。
満足度の高い、自分にぴったりの処分方法を見つけるためには料金・時間・労力の3要素を総合的に判断しなくてはいけません。
処分にかかる費用と自分が無理のない範囲で出せる金額との相性
例えば、不用品回収業者に依頼する処分方法は、自宅まで来て他の不用品もまとめて回収してくれるため非常に便利です。
しかし、いくら便利だからと言って、あれもこれもとオプションを足していくと、かなりの高額になってしまうこともあります。
もちろん自分がその金額を無理なく支払えるのであれば問題ありません。
しかし経済的に負担を感じるのであれば、オプションの数を減らしたり、別の処分方法を検討したりするのが無難です。
まずは、基本的な条件として自分が無理なく支払える範囲の金額で処分方法を絞り込みましょう。
処分にかかる時間と自分の生活時間や時間的な条件との相性
処分にかかる時間は処分方法によって異なります。
自分の生活時間※やいつまでに処分したいなどの時間的な条件と合わない方法は、いくら費用が安くても相性が良いとは言えません。
例えば、忙しい人や夜勤がある仕事をしている人の場合、早朝にゴミ出しをするのがそもそも難しいことがあります。
そんな人が自治体に引き取ってもらおうと思っても、手続きがなかなかできなかったり、約束の時間に出せなかったりするでしょう。
自分の生活時間と相性の良い処分方法を選べば、滞りなく電子レンジを処分できます。
※生活時間……仕事をしている時間(労働時間・休憩時間)以外の時間のこと
労力や手間がどれだけかかるかと自分の体力や性格との相性
自治体の粗大ゴミ収集を利用する場合、申し込みや粗大ごみ処理手数料券の購入といった事前の準備が要ります。
フリマアプリやネットオークションで売却するなら、出品手続き、購入希望者とのやり取り、梱包作業などをしなければいけません。
また、電子レンジには大小様々なサイズがありますが、平均すると1台あたりで15㎏ほどの重量があります。
つまり、ある程度の距離を運ぶには、それなりに体力も必要になるということです。
各種手続きが面倒に感じる人や体力に自信のない人は、手間や労力がかからない処分方法を選択するほうが良いでしょう。
電子レンジを処分するときはこの2つに気をつけよう!
電子レンジを売却・処分する際は「電子レンジの周波数」と「無許可の業者」に注意しましょう。
以下に詳しく解説いたします。
自分で売るときは電子レンジの対応周波数を確認しておく
実は電気の周波数は、同じ日本国内でも地域によって異なるのです。
大まかに西日本は「60Hz」、東日本は「50Hz」となります。
「50/60Hz」と表示された電子レンジなら全国で使用できますが、そうでない場合は対応地域外では使用できません。
周波数が合わないまま使用すると、電子レンジに不具合が生じたり故障したりする原因になります。
もしフリマアプリやネットオークションで売却する場合は、事前に対応周波数を確認し商品説明欄に記載しておきましょう。
加えて、電子レンジをはじめとした電化製品は、全般的にとてもデリケートです。
上下逆さにして運んだり、衝撃を与えたり、水に濡れたりすると故障の原因になりますので発送時の扱いにも十分注意しましょう。
必要な許可を得ていない不用品回収業者やリサイクルショップには依頼しない
不用品回収業者やリサイクルショップに依頼する場合は、必要な許可を取得している業者を選んでください。
まず、一般家庭から出る不用品を引き取るには「一般廃棄物収集運搬業許可」を行政から得なくてはいけません。
これは回収した不用品の適正なリサイクル・処分を推進するとともに、違法な行為がないか監視するための許認可です。
この許可を得ていない不用品回収業者に依頼してしまった場合、引き渡した電子レンジが不法投棄されてしまうかもしれないのです。
また、中古品の買取には「古物商許可」が必要です。
電子レンジの買取を希望するなら、この許可を取得しているリサイクルショップや不用品回収業者に依頼しましょう。
不用品回収業者に依頼するなら、こんな業者には要注意!
その利便性の高さから利用者も年々増加している不用品回収サービスですが、一部の悪徳業者によるトラブルも報告されています。
間違ってそのような悪徳業者に依頼してしまわないためにも、悪徳業者の特徴5つを知っておきましょう。
●街中をトラックで巡回したり空地で回収したりしている
スピーカーで「無料回収」などと謳いながら街中を巡回したり、空地で回収したりしている業者は無許可の場合がほとんどです。
売れそうな品や部品だけを持ち帰り、後は不法投棄されるなどの被害が出ています。
●チラシ投函やネット広告で「無料回収」を謳っている
あまりにも「無料」を強調している業者は疑ったほうが良いでしょう。
いざ依頼してみると「無料なのは回収費だけで、作業費や運搬費はかかる」などと別名目での高額請求をされるケースがあります。
●事前の約束なしに突然訪問して強引に回収をすすめる
引越し前後やお葬式後、年末などの不用品が出やすいタイミングに押しかけてきます。
安易に家に入れてしまうと、必要な品や貴重品なども強引に持って行かれる、などの被害に遭うかもしれません。
●「今日でキャンペーンが終わる」などの理由で契約を急がせる
色々と理由を付けて契約を急かしてくる業者には要注意です。
お得だからと契約すると、作業後に想定を上回る高額請求をされ、キャンセルするのにも高額なキャンセル料を求められるようです。
●会社名をネット検索しても住所や連絡先などの会社情報が出てこない
ホームページがない、あっても詳細な会社概要が記載されていない業者には頼まないのが賢明です。
悪徳業者は、何かトラブルが発生した時でもすぐ逃げられるように身元を明かしません。
*より詳しく悪徳業者の見分け方や優良業者選びのポイントを知りたい方は、以下のコラムをご参照ください。
まとめ
電子レンジを処分する際に重要なのは、どの方法が一番自分に合っているのかをしっかりと吟味することです。
例えば、料金が安いという点だけで選んでしまうと、後々不都合が出たり、不満が残ったりすることもあり得ます。
電子レンジではないですが、筆者は要らなくなった小型家電をフリマアプリに出品した経験があります。
すぐに売れると期待していましたが、まったく買い手がつかず時間ばかりが経過し、結局リサイクルショップで買取してもらいました。
筆者のように深く考えずに処分方法を決めると、二度手間になってしまうこともあるのです。
ぜひ処分方法5選の特徴や費用相場をしっかりと比較して、自分にぴったりの方法を見つけてくださいね。