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位牌を処分するタイミングや捨て方が知りたい!供養方法や依頼先、注意点は?

様々な事情から位牌の処分が必要になることもあります。

しかし、いつ捨てればいいのか、どう処分するのが適切か、などわからないことも多いのではないでしょうか。

一般的に、弔い上げなどの節目、引越しや改築などの住宅事情の変化、継承者が途絶える際に位牌を処分する人が多いようです。

当コラムでは、位牌を処分するタイミング、処分方法や供養方法、どこに頼めばいいか、注意点などをわかりやすく解説いたします。

将来的に位牌の処分をお考えの方も、すぐに処分しなければいけない事情のある方も、ぜひ当コラムを参考にしてください。

位牌を処分するタイミングはいつ?よくある場面は4つ

位牌を処分するタイミングや捨て方、供養方法や依頼先、注意点を解説

位牌は故人の霊を祀るもので、代々子孫がその供養を受け継いでいくという性質上、処分する機会はあまり多くはありません。

処分する場面として考えられるのは「弔い上げ」「位牌の作り変え」「継承者がいない」「引越しやリフォーム時」などです。

これらのタイミングについて、わかりやすくご紹介いたします。

●弔い上げのとき

弔い上げ※①を機に、故人の位牌を処分してご先祖様の位牌や過去帳にまとめるというケースがあります。

今後は故人としてではなくご先祖様として祀っていくことになるのです。

※①弔い上げ……故人の供養のために行ってきた年忌法要が終了すること

三十三回忌や五十回忌の法要がその節目に当たることが多いが、宗派によっても異なる

●位牌を作り変えるとき

様々な理由で、位牌の作り変えを行う場合は古い位牌を処分することになります。

・白木位牌

亡くなった直後に作られる白木位牌(しらきいはい)は、四十九日法要を終えると本位牌に換えられます。

不要になった白木位牌は、法要後にお寺で処分されることが多いです。

・位牌が古くなり傷んできた

古くなり、傷や汚れが目立ってきたために、新しい位牌へ作り変えることがあります。

・宗派の変更、戒名・位号替えを行った

今までとは異なる宗教へ改宗する場合は戒名や位号も変えなくてはいけないため位牌を作り直さなくてはいけません。

また、改宗しない場合でも、戒名や位号の変更を行う場合は位牌の作り変えが必要になります。

・仏壇を買い替えるとき

新しい仏壇に位牌の大きさが合わないときには、位牌も作り変えが必要になります。

●継承する人がいないとき

子供や親族がいないなど、位牌を継承してくれる人がいない場合は処分するしかありません。

そのようなケースでは、お寺などで永代供養してもらうなど、継承や管理が必要ない供養方法に変更される方が多いようです。

●引越しやリフォームで置く場所がなくなってしまったとき

引越しや自宅の改築などで、仏壇を置けるスペースが確保できなくなったときに、仏壇と一緒に位牌の処分も検討されます。

菩提寺から遠い場所へ引越してしまった場合などでは、お墓を閉じるなど、今後の供養方法についても考え直す人が増えています。

位牌の処分方法は「お焚き上げ」「永代供養」「閉眼供養後に廃棄」

お焚き上げ

位牌を処分する方法は3種類、「お焚き上げ」「永代供養」「閉眼供養後に廃棄」です。

それぞれを詳しく解説いたします。

他の仏具や遺品も供養したいなら「お焚き上げしてもらう」のがおすすめ

お焚き上げは、お寺や神社で読経または祈祷後に品物を焼却することで、浄化し供養する儀式です。

位牌の他にも、遺品や人形、お札、お守りなど、思い入れが強く処分しづらいものがお焚き上げされます。

お焚き上げには、他の仏具や遺品、他人の位牌などと一緒に焼かれる「合同供養」と、個別にしてもらえる「個別供養」があります。

ただし、個別供養には対応していない寺社もあるので、希望する場合は依頼前に可能かを確認しておきましょう。

また、位牌をお焚き上げする場合、宗派にもよりますが先に「閉眼供養」を行うことが多いです。

位牌のお焚き上げを検討しているなら、宗派的に閉眼供養が必要なのかを事前に確認してください。

今後も供養を続け、維持・管理を任せたいなら「永代供養をお願いする」

処分する以外にも、位牌を手元に置かずに供養できる方法が永代供養です。

菩提寺以外にも、その他のお寺や霊園でも依頼することができ、この方法なら位牌の維持・管理を任せることができます。

多くの場合、三十三回忌や五十回忌などの節目までで位牌の管理は終えられ、他の方の霊とともに合祀されるのが一般的です。

維持・管理してもらえる期間はお寺によって異なるので、詳しくは依頼するお寺にお尋ねください。

合祀され不要になった位牌は、その後お焚き上げされることになります。

お墓や仏壇をしまう際に行われることが多く、遺骨も一緒に永代供養してもらえます。

なるべく費用を抑えたいなら「閉眼供養した後に廃棄する」

閉眼供養は「お性根抜き」や「魂抜き」とも呼ばれます。

位牌に宿る故人の魂を抜き取る儀式のことで、お墓をしまう際や引越しで仏壇を移動する際などにも行われます。

位牌や仏壇、お墓、仏像などの礼拝物は、もともとはただの物であり、開眼供養を行うことで魂や仏様が宿るとされています。

言うなれば、礼拝物は魂や仏様に入っていただく入れ物なのです。

そのため解釈次第にはなりますが、閉眼供養を行えば、礼拝物は再びただの物に戻るため、後は自由に処分しても良いという訳です。

ただし、礼拝物に対する解釈は宗派によっても異なり、閉眼供養を必要としない宗派もあります。

位牌の処分を任せられる依頼先は6つ!特徴や費用を解説

読経する僧侶

株式会社シュフーズの実施した調査によると、位牌の処分方法では「永代供養」「魂抜き、お焚き上げ」が人気のようです。

「お寺に永代供養に出す(41.7%)」と「魂抜き、お焚き上げを依頼する(43.1%)」を合わせると8割を超えています。

この章では、これらの処分方法に加えて合計6種類の処分方法をご紹介し、特徴や費用相場も解説します。

日頃からお世話になっている菩提寺で永代供養やお焚き上げしてもらう

日頃からお墓の管理や年忌法要でお世話になっている菩提寺があるなら、そちらの住職様に相談するのが最良です。

菩提寺がない場合は、同じ宗派のお寺や霊園に相談すると良いでしょう。

費用は「お布施」としてお渡しします。

お布施の金額には地域差があるため、いくらほど用意すればいいかわからない時は、それとなくお寺に尋ねてください。

自宅で閉眼供養をしてもらう場合は、「お車代」も用意しておきましょう。

▶永代供養の費用相場:30,000円~500,000円ほど

▶お焚き上げの費用相場:10,000~30,000円ほど

▶閉眼供養の費用相場:30,000~50,000円ほど

▶お車代の費用相場:5,000~10,000円ほど

位牌にあたる霊璽・御霊代は神社でお祓い後に処分してもらう

神道では、仏教の位牌にあたるものとして「霊璽(れいじ)・御霊代(みたましろ)」があります。

霊璽を処分する際には、氏神神社があるなら、そちらへお返しできるので相談してみましょう。

氏神神社がない場合は、同じ宗派の神社で相談するのが良いでしょう。

奉還奉告祭(ほうかんほうこくさい)という、魂を幽世(かくりよ)※②にお帰りいただく儀式を行い、その後お焚き上げされます。

費用は「玉串料」としてお渡しします。

金額を明示してくれている神社もありますが、わからない場合は直接尋ねても大丈夫です。

▶費用相場:10,000~30,000円ほど

※②幽世(かくりよ)……魂が向かう場所、あの世

位牌の作り変えなら仏壇仏具店、葬儀でお世話になった葬儀社に依頼する方法も

仏壇仏具店や葬儀社では、仏具や位牌の処分をしてくれるところがあります。

仏壇の買い替えや位牌の作り変えに伴って、古い位牌を処分する場合は、仏壇仏具店に依頼するのが良いでしょう。

檀家寺がない場合などでは、お世話になった葬儀社へ相談するのも一つの方法です。

ただし、どちらの場合でも、閉眼供養の手配までしてくれるところは多くはありません。

そのため、閉眼供養はお寺などに別途依頼しなければいけないことを忘れないでください。

▶費用相場(処分のみ):10,000~30,000円ほど

※閉眼供養が必要な場合は別途費用がかかる

遺品整理も一緒に頼みたいなら遺品整理業者に依頼する

遺品整理業者は、親族に代わって故人の遺品整理を行い、不要な遺品類は引き取り処分してくれます。

当然、位牌や仏壇などの礼拝物も引き取り可能です。

中には、閉眼供養の手配やお焚き上げまで対応してくれる業者もあります。

ただし、あくまでも遺品整理なので、部屋の広さや作業量で金額が決まるため費用は高額になります。

位牌の処分だけでは引き受けてもらえないこともあるので注意してください。

また、閉眼供養やお焚き上げはオプション料金となる点も覚えておきましょう。

依頼するなら「遺品整理士」の資格を持ったスタッフが在籍し、「供養証明書」を発行してくれる業者を選べば安心です。

▶費用相場:1LDK/70,000~120,000円ほど 2LDK/120,000~300,000円ほど

※閉眼供養、お焚き上げは別途オプション料金がかかる

その他の不用品も同時に片付けたいなら不用品回収業者に依頼する

不用品回収業者は、不用品を少量から回収してくれるため、位牌1本だけでも引き取ってくれる業者もあります。

不用品回収の性質上、位牌以外にも仏壇や仏具、その他の不用品、粗大ゴミもまとめて処分できるのも嬉しいポイントです。

中には、閉眼供養の手配やお焚き上げまで対応してくれる業者もあるので、相談してみると良いでしょう。

閉眼供養やお焚き上げはオプション料金となるため、事前に金額を確認しておきましょう。

真っ当な不用品回収業者がほとんどですが、不法投棄や高額請求を行う悪徳業者も存在します。

被害に遭わないためにも、複数社で相見積もりを取るなど、十分に比較検討して依頼先を決めてください。

▶費用相場:5,000~20,000円ほど

※閉眼供養、お焚き上げは別途オプション料金がかかる

できるだけ費用を抑えたいなら自治体の燃えるゴミに出す

閉眼供養を行った位牌はただの物に戻ると解釈されます。

また、宗派によってはそもそも閉眼供養を必要としないところもあります。

このような場合では、所有者の捉え方次第ではありますが、燃えるゴミとして処分することも可能です。

心情的に抵抗のある方もおられるでしょうし、あまりおすすめはできませんが、この処分方法が法に触れる訳ではありません。

この方法では、指定の袋に入れて、燃えるゴミの日に出すだけなので処分費用はかかりません。

ただし、礼儀として同じ袋には位牌や仏具以外のゴミは入れないほうが良いでしょう。

また、袋の外から見えないように白い紙などで包んでおくことを推奨いたします。

▶費用相場:かからない

※閉眼供養が必要な場合は別途費用がかかる

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位牌を処分する際の注意点!この3つは必ず確認しよう

3つのチェックボックス

処分に際しての注意点は「家族、親族に相談する」「菩提寺の住職に相談する」「宗派にあわせた処分方法を確認する」の3つです。

後々、思わぬトラブルに発展してしまうこともあるため、処分する前に必ず確認してください。

●家族、親族に相談する

家族や親族がいる方は、自分一人で位牌の処分を決めず、親族全員に相談して了承を得るようにしましょう。

勝手に処分して、後からそれを知った親族と揉め事になっても、もう取り返しがつきません。

●菩提寺の住職に相談する

年忌供養やお墓の管理などでお世話になっている菩提寺があるなら、住職様に位牌の処分について相談しておきましょう。

勝手に処分してしまうと、今後のお付き合いで支障が出ることも考えられます。

位牌を処分したとしても、菩提寺にある先祖代々のお墓の供養は引き続きお願いしないといけないのです。

相談した結果、永代供養やお焚き上げに対応してもらえることもありますし、今後も良いお付き合いができるでしょう。

●宗派にあわせた処分方法を確認する

位牌の意味や処分方法は、宗派によっても違いがあります。

故人や先祖が宗派の熱心な信徒だった場合、別の宗派の作法やしきたりに則って処分するのは、あまり良いことではありません。

処分を行う前には、必ず宗派にあわせた処分方法を確認しておきましょう。

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「閉眼供養」は必要?行うかどうかは宗派によって異なる

お寺の境内

礼拝物に宿ったご本尊や魂を抜き出す儀式である「閉眼供養」ですが、位牌の処分時に必ずしも必要になる訳ではありません。

なぜなら「位牌に魂が宿る」という概念がない宗派もあるからです。

閉眼供養を必要としない代表的な宗派2つとその理由を解説

●浄土真宗の場合

浄土真宗では、ご本尊に移動していただくための「遷座法要(せんざほうよう)」はありますが、閉眼供養はありません。

礼拝物に魂が宿るという概念がないため、そもそも位牌もないのです。

しかし、手を合わせる対象が欲しいからと位牌を作る人もいます。

元々位牌を必要としないため、仮に位牌を作ってもそこに魂は宿らないと解釈します。

つまり、閉眼供養をしなくても、位牌はそのまま処分して良いということになるのです。

どうしても閉眼供養したい場合は、他宗派のお寺に依頼しなければいけません。

とはいえ、例外的に対応してくれる浄土真宗のお寺もあるようなので、まずは菩提寺で相談してみるのが良いでしょう。

●創価学会の場合

創価学会では、位牌は故人の名札としての役割があるだけで、拝む対象ではないという解釈です。

葬儀の際に白木位牌を用意しますが、葬儀後はしかるべく処分しても良いとされています。

処分方法としては、燃えるゴミに出すのが一般的です。

まとめ

位牌は宗派ごとの作法やしきたりに則って処分するのが一般的です。

筆者も、位牌を先祖のものとまとめる際に、閉眼供養をしてもらってからお寺に処分をお願いしました。

しかし、位牌に対する解釈も人それぞれなので、よくよく考えた選択ならどの処分方法でも問題ありません。

ただし、親族の中には信仰心の強い方もおられるかもしれないので、揉め事にならないよう十分に話し合っておきましょう。

処分後に後悔することがないよう、皆が納得できる処分方法を選んでくださいね。

この記事の執筆者

この記事の執筆者

株式会社
プログレス編集部 S・A

遺品整理の経験から不用品・粗大ゴミの処分方法や業者選びの正しい知識を広める重要性を実感。専門知識を身に付け困っている人の助けになりたいとプログレスへ入社。「知識のない人にもわかりやすく伝える」を信条に、プログレス各種サイトのコラムの執筆を担当。持ち前の感性で言葉を綴る編集部きっての女傑ライター。

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