不用品の処分は、「自治体」「不用品回収業者」「引越し業者」の3カ所に依頼することができます。
これらの方法で処分した場合、どれくらいの費用がかかるのか相場が知りたいと思っている方も多いでしょう。
そこで、当コラムでは3種類の処分方法の費用相場を解説し、それぞれの特徴やどんな人におすすめかをお伝えします。
加えて、処分費用を安く抑えるためのポイントや優良業者の選び方もご紹介します。
不用品回収の費用相場を知りたい方、処分方法に迷っている方は、当コラムをぜひお役立てください。
不用品の処分方法3種類と費用相場をわかりやすく解説
傷んだ家具や壊れた家電などの不用品は、「自治体」「不用品回収業者」「引越し業者」の3カ所に処分を頼めます。
この章では、3カ所それぞれに依頼した場合の費用相場について詳しく解説していきます。
自治体の粗大ゴミ手数料の費用相場
粗大ごみ受付センターで申請し、処理手数料券を購入すれば自治体が粗大ゴミの回収をしてくれます。
処分手数料は自治体ごと、また品目によっても異なりますが、不用品1点につき500~1,500円ほどが相場のようです。
申請や支払いの方法も自治体によって異なりますので、お住まいの地域の自治体に確認してください。
指定された場所に不用品を出せば回収に来てくれる粗大ゴミ収集と、直接ゴミ処理施設へ持ち込む2種類の方法があります。
注意しなければいけないのは、自治体では基本的に家電リサイクル法対象品の回収は行っていない点です。
民間業者と提携して回収している自治体も一部ありますが、通常は家電リサイクル法対象品は別の方法で処分しなければいけません。
家電リサイクル法対象品(家電4品目)
エアコン、洗濯機(衣類乾燥機)、冷蔵庫(冷凍庫)、テレビ(ブラウン管式、液晶、有機EL、プラズマ式)
人口の多い5都市の不用品処分手数料
回収に出されることが多い不用品の処分手数料を一覧にしました。
自治体によって多少違いはありますが、おおよそ似通った手数料設定になっているようです。
品目 | 神奈川県横浜市 | 大阪府大阪市 | 愛知県名古屋市 | 北海道札幌市 | 福岡県福岡市 |
ソファ | 500~1,000円 | 700~1,000円 | 500~1,500円 | 500~900円 | 500~1,000円 |
タンス | 1,000~1,500円 | 400~1,000円 | 1,000~1,500円 | 500~1,300円 | 500~1,000円 |
テーブル | 500~1,000円 | 400~1,000円 | 1,000円 | 200~500円 | 500~1,000円 |
マットレス (スプリングなし) | 1,000円 | 200円 | 1,000円 | 200円 | 300~500円 |
ベッド本体 | 1,000円 | 1,000円 | 1,500円 | 500~900円 | 500円 |
掃除機 | 200円 | 200円 | 250円 | 200円 | 300円 |
電子レンジ | 500円 | 400円 | 1,000円 | 500円 | 500円 |
不用品回収業者に回収してもらう場合の費用相場
不用品回収業者の料金体系は、大まかに「単品価格」とトラック積み放題などの「プラン料金」の2種類です。
単品価格の場合の回収費用相場
単品価格の場合、「基本料金(運搬費・人件費など)+単品価格」が回収費用になります。
費用相場は、大型家具5,000~20,000円、小型家電3,500~8,000円、大型家電7,000~20,000円ほどです。
品目 | 単品価格の相場 |
ソファ | 5,000~12,000円 |
タンス | 4,000~8,000円 |
テーブル | 1,000~4,000円 |
ベッド本体 | 4,000~10,000円 |
マットレス | 5,000~10,000円 |
掃除機 | 500~1,000円 |
電子レンジ | 1,000~3,000円 |
エアコン | 5,000~10,000円 |
洗濯機(衣類乾燥機) | 4,000~9,000円 |
冷蔵庫(冷凍庫) | 7,000~10,000円 |
テレビ | 4,000~6,000円 |
プラン料金の場合の回収費用相場
プラン料金の場合は、「規定量までの回収価格」が設定されており、その中に運搬費や人件費などもすべて含まれます。
不用品が複数点ある場合は、こちらのプラン料金を使用したほうが割安で処分できます。
引越し業者に処分してもらう場合の費用相場
引越しを依頼している場合に限りますが、引越し時に出た不用品を引き取ってもらうことができます。
不用品処分の費用相場は3,000~9,000円ほどです。
ただし、回収できる品目は限られていることがほとんどです。
大手の引越し業者でも「家電リサイクル法対象品のみ」「家電リサイクル法対象品と一部家具のみ」というケースが多いです。
そのため、処分したい不用品が回収対象なのかを事前に確認する必要があります。
対象ではない場合、他の処分方法を考えなければいけません。
品目 | 単品価格の相場 |
ソファ | 4,000~8,000円 |
タンス | 3,000~5,000円 |
テーブル | 3,000~5,000円 |
ベッド本体 | 4,000~8,000円 |
エアコン | 4,000~8,000円 |
洗濯機(衣類乾燥機) | 5,000~9,000円 |
冷蔵庫(冷凍庫) | 6,500~8,000円 |
テレビ | 4,000~6,000円 |
*引越し費用に別途加算される
*不用品や粗大ゴミの回収を行っていない引越し業者が多い
処分方法を選ぶときは費用・時間・労力の3つを考慮する
単純に費用だけを見れば、自治体で不用品を回収してもらうのが一番安価で済みます。
しかし、それだけで選んでしまうと、後々問題が生じたり、高くついてしまったりすることもあるので注意が必要です。
不用品の処分方法を選ぶときに大切なのは「費用」「時間」「労力」の3つの要素を総合的に判断することです。
例えば、どれだけ安価な処分方法でも、時間がかかってしまうなら、すぐに処分したい人には向きません。
また、たくさんの不用品を一度に処分したい人には、多少高額でも分別や手続きが不要な方法のほうが満足度が高いかもしれません。
このように、処分する品目、個数、自分の要望を踏まえたうえで、費用、時間、労力の3要素から最適な処分方法を選択しましょう。
結局どの処分方法が良いの?各処分方法の特徴&こんな人におすすめ
「自治体」「不用品回収業者」「引越し業者」の3カ所のうち、どこに依頼するのが良いかは当然、人によります。
そこでこの章では、3つの処分方法の特徴とメリット・デメリット、とくにどんな人におすすめかをわかりやすく解説します。
時間がある、不用品が少ない、手間を惜しまない人なら自治体の粗大ゴミ収集が最適
自治体の粗大ゴミ収集を利用したり、ゴミ処理施設へ持ち込んだりする方法は、安価かつ安心なのが魅力です。
急いでいるわけではなく、小さめの不用品を1~2個ほど処分したい人にはうってつけの方法と言えます。
しかし、事前の申請や粗大ごみ処理券の購入、不用品の搬出を自力でしなくてはいけないなど手間や労力がかかります。
回収の日時をこちらから指定することはできませんし、ゴミ処理施設への持ち込みが可能な日時も限られます。
さらに難点として、一度に回収される数に限りがあることがほとんどのため、たくさんの不用品を一度に処分することはできません。
費用☆☆☆☆☆ 時間☆★★★★ 労力☆★★★★
・費用を抑えたい ・不用品の数が少ない ・時間に余裕がある ・体力に自信がある
・手続きなどの手間をかけることが苦ではない
粗大ゴミの処分手数料の減額・免除制度がある
自治体によりますが、ある一定の条件を満たしている場合に限り、粗大ゴミの処理手数料の減額・免除を行っていることがあります。
条件や対象者は自治体ごとに異なるため、詳しくはお住まいの自治体にお問い合わせください。
減額・免除制度の対象者例
・生活保護受給者 ・災害被災者 ・児童扶養手当/特別児童扶養手当受給者
・老齢福祉年金受給者 ・福祉医療証の交付を受けているひとり親世帯
・特定中国残留邦人世帯 など
多種多様な不用品を一気に処分したい、急いでいる人には不用品回収業者がおすすめ
不用品回収業者は、その名の通り不用品の処分に長けているため、利便性の高さは他の処分方法と比べると圧倒的です。
様々な品目が混在した大量の不用品でも、分別不要でまとめて回収してくれますし、回収日時の融通も利きます。
搬出作業から対応してくれるので、体力に自信のない人や一人暮らしの人にも重宝されています。
中には、買取を行っている業者もあり、処分品の中に価値ある品があれば高値で買い取ってもらえる可能性もあります。
処分費用は、3つの処分方法の中で一番高額になりますが、費用対効果は高く、依頼内容によっては割安になることもあるのです。
費用☆☆★★★ 時間☆☆☆☆☆ 労力☆☆☆☆★
・処分を急いでいる ・大量の不用品を処分したい ・大型、または超重量の不用品を処分したい
・分別や手続きが面倒 ・体力に自信がない ・家電4品目を処分したい
・中古品の買取もしてほしい ・遺品整理や引越しなど関連する作業も任せたい
引越しに伴って家電4品目を処分したい人には引越し業者がぴったり
引越し業者は、引越しに伴って廃棄する家電4品目や一部家具を回収してくれるため面倒事が一気に片付きます。
処分したい品が回収対象かは事前に確認する必要がありますが、引越し作業と一緒に任せられるのは便利です。
ただし、引越し前提でないと利用できない点、対象品目が少ない点は考慮しなければいけません。
不用品が回収対象でなかった場合は、他の処分方法を検討しましょう。
費用☆☆☆★★ 時間☆☆☆☆☆ 労力☆☆☆★★
・引越しをする ・家電4品目を処分したい ・体力に自信がない
不用品回収費用を安く抑えるポイント6つ!不用品は賢く処分しよう
不用品回収業者に依頼する方法は高額になりがちですが、工夫次第では処分費用を大幅に抑えることもできます。
この章では処分費用を安く抑えるポイントを6つご紹介します。
●自分で分別・処分ができるものはしておく
燃えるゴミに出せる物は先に捨てておく、自分でも簡単に分別できるものは分けておくなど、できることは済ませておきましょう。
●まだ使える品や価値ある品は買取に出す、または売却する
まだ使用できる品や価値ある品があるなら、査定・買取に対応している不用品回収業者に依頼するのがおすすめです。
少しでも高値がつくように、汚れを落としてきれいにし、付属品も揃えておきましょう。
フリマアプリやネットオークション、リサイクルショップで売却するのも良い方法です。
●相場を把握しておく
契約する前に、少なくとも3社以上で相見積もりを取り、大体の相場を把握しておきましょう。
極端に安すぎる、または高すぎる業者には要注意です。
サービス面で不満が出たり、後から高額な追加請求や不法投棄をされたりなどのトラブルになる可能性もあります。
●自分で運べるものは外に出しておく
所要時間や搬出方法などによって追加料金がかかる場合があるため、自分で運べるものは外に出しておくと節約につながります。
●作業を手伝う
回収当日に作業を手伝えば、作業時間が短くなった分だけ請求額を下げてくれる業者もあります。
ただし、手伝うことで逆に作業を妨げてしまわないように注意が必要です。
●オプションを控える
家具の解体作業や家電の取り外し作業などはオプション料金になっていることが多いです。
ケガのリスクもあるため無理はいけませんが、自分でできることを済ませておけば費用を抑えられます。
不用品回収業者に依頼するなら!優良業者選び7つのコツ
不用品回収業者のサービスはとても便利ですが、稀に悪徳業者が紛れているため、業者選びは慎重に行いましょう。
優良業者を選ぶコツを7つご紹介しますので、ぜひ参考にして自分にぴったりの不用品回収業者を見つけてください。
●一般廃棄物収集運搬業許可を取得している
ご家庭の不用品を回収するには「一般廃棄物収集運搬業許可」を取得、または取得した業者と提携していなければいけません。
依頼を検討している業者が、きちんと許可を得ているかは必ず確認してください。
また、不用品の買取も頼みたいなら「古物商許可」も得ている業者を選びましょう。
●所在地、連絡先などの会社情報が公開されている
ホームページに会社概要が記載されており、所在地や連絡先が公開されている業者を選びましょう。
明かされていない業者は悪徳業者の可能性があります。
●費用がいくらかかるのかが明確
ホームページ上に目安となる料金を公開していて、他社との相見積もりにも快く応じてくれるかはチェックすべきポイントです。
回収品目や依頼者の要望などを踏まえて正確な費用を算出してくれる業者は信用できます。
●実績豊富で作業事例も公開されている
行政から委託されている業者や、実際の作業事例が多数公開されている業者は信頼性が高いです。
自分が依頼したい内容と近い事例がないか探してみると、料金や所要時間、接客対応などを知る材料にもなります。
●口コミで低評価が少なく高評価が多い
サクラなどのやらせ行為で高評価を得ている悪徳業者もあるため、高評価と低評価が二極化している業者には要注意です。
低評価が少なく高評価が多い業者の中から、絞り込むのが賢明です。
●親切で丁寧な接客対応
質問への明確な回答、要望に沿った提案、細かな料金説明など、誠実な対応をしてくれる業者を選びましょう。
●損害賠償保険へ加入している
不用品の回収作業中に、不慮の事故で依頼者の自宅や所有物を破損させてしまうこともないとは言い切れません。
そんな事態に備えて、損害賠償保険に加入している業者なら安心して任せられます。
まとめ
不用品の処分方法は「自治体」「不用品回収業者」「引越し業者」の3カ所に依頼できます。
ここで大切なのは、費用面だけでなく処分する品目や自分の要望なども考慮して、どの方法を選ぶかということだと筆者は思います。
例えば引越しする場合、処分する品が家電4品目であるなら引越し業者に依頼するのが良いでしょう。
しかし、それ以外にもたくさん不用品を処分したいなら、引越し作業も頼める不用品回収業者に依頼するほうが良いかもしれません。
費用を安く抑えるコツや優良業者の選び方なども駆使して、お得で賢く不用品を処分してくださいね。