「洗濯機が急に壊れてしまった」「洗濯機の処分方法がわからない」など洗濯機の捨て方に悩む方は少なくありません。
洗濯機は大きくて重たいうえに、家電リサイクル法の対象品目で簡単には捨てられないため、悩むのも仕方のないことでしょう。
しかし逆に言えば、決まった処分方法があるので、その中から自分に合った方法を選べば良いだけとも言えます。
当コラムでは洗濯機の処分方法を8つご紹介し、それぞれの特徴や費用を解説します。
加えて、処分時の注意点や洗濯機の水抜きのやり方などもお伝えしますので、きっとお役に立てるはずです。
洗濯機をお得に処分したい方、素早く処分したい方は、当コラムをぜひ参考にしてください。
洗濯機の処分方法 | 費用 | 労力 | 効率性 | |
回収 | ●買い替え時に下取りに出す | ☆☆☆☆★ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆★ |
●購入店で引き取り | ☆☆☆★★ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆★★ | |
●指定引取場所への持ち込み | ☆☆☆☆★ | ☆☆★★★ | ☆☆★★★ | |
●自治体提携の回収業者へ依頼 | ☆☆☆★★ | ☆☆★★★ | ☆☆★★★ | |
●不用品回収業者へ回収依頼 | ☆☆★★★ | ☆☆☆☆★ | ☆☆☆☆☆ | |
売却 | ●リサイクルショップで売る | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆★ | ☆☆☆★★ |
●フリマアプリ・ネットオークションで売る | ☆☆☆☆★ | ☆☆★★★ | ☆★★★★ | |
譲渡 | ●施設へ寄付、人に譲る | ☆☆☆☆★ | ☆☆★★★ | ☆★★★★ |
*気になる処分方法をクリックしていただければ、詳しい特徴解説まで移動することができます
洗濯機の処分には家電リサイクル料金と収集運搬料金がかかる
洗濯機は、家電リサイクル法※①の対象品目のため、他の家電のように粗大ゴミとして捨てることができません。
洗濯機を含む家電4品目は、リサイクルすることが法律によって定められているのです。
適切なリサイクルを行うために必要な経費として、処分には「家電リサイクル料金」と「収集運搬料金」がかかります。
洗濯機(及び衣類乾燥機)の家電リサイクル料金は2,530円(税込)※②です。
収集運搬料金は、収集を依頼するお店によって異なりますが、相場は2,000~3,000円ほどになります。
※①家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)
有用な部分や材料をリサイクルすることで、廃棄物を減らし、資源の有効利用を推進するために施行された法律
対象:洗濯機(衣類乾燥機)、エアコン、テレビ(ブラウン管式、液晶、有機EL、プラズマ式)冷蔵庫(冷凍庫)
※②…家電リサイクル料金は2024年8月現在の金額です。今後、改定される可能性があります。
洗濯機の処分方法8選!費用、労力、効率性を徹底比較
洗濯機は、回収の他に売却や譲渡など、計8種類の方法で処分することができます。
8種類それぞれの特徴を解説し、「費用面でのお得さ」「労力がかからないお手軽さ」「スピード感を含む効率性」で比較します。
洗濯機の処分方法 | 費用 | 労力 | 効率性 | |
回収 | ●買い替え時に下取りに出す | ☆☆☆☆★ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆★ |
●購入店で引き取り | ☆☆☆★★ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆★★ | |
●指定引取場所への持ち込み | ☆☆☆☆★ | ☆☆★★★ | ☆☆★★★ | |
●自治体提携の回収業者へ依頼 | ☆☆☆★★ | ☆☆★★★ | ☆☆★★★ | |
●不用品回収業者へ回収依頼 | ☆☆★★★ | ☆☆☆☆★ | ☆☆☆☆☆ | |
売却 | ●リサイクルショップで売る | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆★ | ☆☆☆★★ |
●フリマアプリ・ネットオークションで売る | ☆☆☆☆★ | ☆☆★★★ | ☆★★★★ | |
譲渡 | ●施設へ寄付、人に譲る | ☆☆☆☆★ | ☆☆★★★ | ☆★★★★ |
*気になる処分方法をクリックしていただければ、詳しい特徴解説まで移動することができます
買い替えるなら下取りに出すのがベスト
新しい商品の購入が前提なら、そのお店で洗濯機を下取りに出すのが良いでしょう。
処分する洗濯機が比較的新しいものなら買取、あるいはお店のポイント還元などが期待できます。
新品の商品代から下取り分を割り引いてくれるようなお店もあるので、相談してみましょう。
とても古い製品や故障している場合は、下取りの対象にならないこともあります。
その場合は、リサイクル料金と収集運搬料金を支払って引き取ってもらうことになります。
費用☆☆☆☆★ | 労力☆☆☆☆☆ | 効率性☆☆☆☆★ |
・下取りの対象になれば処分費用がかからない (下取りできない場合はリサイクル料金と収集運搬料金がかかる) | ・面倒な手続きが要らない ・新品の洗濯機搬入時に回収してくれる | ・新しい品との入れ替えのため、洗濯できないなどの不便がない ・他にも不用品がある場合は、別で処分を手配する必要がある |
購入したお店がわかれば回収を依頼できる
処分する洗濯機を購入したお店がわかるのであれば、引き取りを依頼することができます。
仮に購入したお店がすでに閉店していても、同じ系列の別店舗があればそちらで引き取ってもらうことが可能です。
取扱説明書や保証書などに購入店名が記載されていることが多いので確認してみてください。
費用☆☆☆★★ | 労力☆☆☆☆☆ | 効率性☆☆☆★★ |
・リサイクル料金と収集運搬料金 | ・面倒な手続きが要らない ・自宅まで引き取りに来てくれる | ・購入店が不明、または閉店している場合は利用できない ・他にも不用品がある場合は、別で処分を手配する必要がある |
費用を抑えたいなら指定引取場所へ自力で持ち込む
最寄りの「指定引取場所」※③へ持ち込めば、洗濯機を引き取ってもらえます。
自力で搬入する分、収集運搬料金はかからずリサイクル料金のみで処分できるのです。
ただしこの方法では、事前に郵便局で家電リサイクル券を購入して手続きを済ませておく必要があります。
手続きなしに持ち込んだ場合、引き取ってもらえませんので注意しましょう。
費用☆☆☆☆★ | 労力☆☆★★★ | 効率性☆☆★★★ |
・リサイクル料金のみ | ・事前に郵便局で手続きをする必要がある ・自力で自宅から搬出し、運搬・搬入しなくてはいけない | ・持ち込み可能な日時が限られている ・運搬手段がないと持ち込みが困難 ・他にも不用品がある場合は、別で処分を手配する必要がある |
※③指定引取り場所…製造業者や輸入業者が、小売業者などから使用済みの家電4品目を引き取る場所(全国各地にある)
安心なのは自治体と提携した回収業者による引き取り
自治体では基本的に、洗濯機を含む家電4品目の回収は行っていません。
しかし、中には不用品回収業者やリサイクル施設と提携して、引き取りを行っている自治体もあるのです。
自治体と提携している業者のため安心して任せられます。
手続きの仕方や収集方法などは実施する自治体によっても異なるので、回収を行っているかを含めて問い合わせてみましょう。
費用☆☆☆★★ | 労力☆☆☆★★ | 効率性☆☆☆★★ |
・リサイクル料金と収集運搬料金がかかる | ・手続きや収集方法は自治体によって異なるため、事前の確認が必要 ・面倒な手続きが必要な場合がある ・労力がかかる場合がある | ・利用可能な日時が限られている ・他にも不用品がある場合は、別で処分を手配する必要がある |
利便性No.1は不用品回収業者への回収依頼
手間や労力をかけたくない、忙しくて日曜や夜しか時間が空いていないという人に最適なのは不用品回収業者に依頼する方法です。
希望する日時に回収に来てくれますし、搬出作業から任せられ、他に不用品があればまとめて引き取ってくれます。
中にはまだ使える中古品の買取を行っていたり、ハウスクリーニングや引越しなどの関連サービスが受けられたりする業者もあります。
その分、他の方法に比べて費用は高額になりますが、依頼内容によっては費用対効果は高くなると言えます。
費用☆☆★★★ | 労力☆☆☆☆★ | 効率性☆☆☆☆☆ |
・不用品回収費用がかかる (価格設定は業者によって異なる) ・買取された場合は費用が抑えられる | ・面倒な手続きが不要 ・労力がかからない ・業者選びに時間がかかる (悪徳業者による被害に遭う可能性がある) | ・自分の都合に合わせて来てくれる ・他の不用品も一緒に回収してくれる ・引越し作業、ハウスクリーニングなどの関連メニューが豊富で、他の困り事も一緒に解消できる |
まだ新しい洗濯機ならリサイクルショップで売却する
洗濯機がまだ新しくきれいな状態で、動作にも問題がなければリサイクルショップへ売却するのがおすすめです。
とくに製造3年以内(ドラム式なら製造7年以内)の国内メーカーの洗濯機なら買取対象になる可能性が高いです。
少しでも査定額をあげるためには、取扱説明書などの付属品を揃えて、汚れを拭き取り、フィルターもきれいにしておきましょう。
当然、壊れていたりかなり古い型の洗濯機の場合は買取対象にはなりません。
無料で出張査定を行っているリサイクルショップもあるので、相談してみると良いでしょう。
費用☆☆☆☆★ | 労力☆☆☆☆★ | 効率性☆☆☆★★ |
・買取された場合は臨時収入になる | ・出張買取を行っているところに頼めば労力はかからない | ・自分の都合に合わせて来てくれる ・買取対象でない場合は利用できない (処分費用を支払えば引き取ってもらえることもある) |
少しでも高く売りたいならフリマアプリやネットオークションで売却する
フリマアプリやネットオークションで売る方法なら販売価格を自分で設定できるので、少しでも高く売りたい人向きです。
リサイクルショップでは買取対象外となってしまった洗濯機でも、値段次第では売れる可能性があります。
ただし、送料や梱包材代を考慮しておかなくては、売れたのに赤字になってしまった、といったことも起こります。
また、すぐ売れるとは限らないので、長期間保管する場所の確保や定期的な動作確認も必要だと心得ておきましょう。
費用☆☆☆☆★ | 労力☆☆★★★ | 効率性☆★★★★ |
・売れた場合は臨時収入になる ・送料や梱包材代がかかる | ・購入者とのやり取りを行う必要がある (トラブルになることもある) ・梱包、発送準備などの労力がかかる ・売れるまでの間、定期的なメンテナンスが必要 | ・いつ売れるかわからない ・売れるまでの保管場所の確保が必要 |
お金を掛けずに処分したいなら寄付や譲渡を
まだまだ使える洗濯機に限りますが、施設への寄付や欲しい人への譲渡なら、お金を掛けずに手放すことができます。
ただし、施設へ寄付するといっても、その時に洗濯機を必要とされているかはわかりません。
いきなり届けたり送りつけたりするのではなく、事前に問い合わせて確認してください。
また、欲しい人を探す場合でもすぐに見つかるとは限らないことは覚えておきましょう。
費用☆☆☆☆★ | 労力☆☆★★★ | 効率性☆★★★★ |
・処分費用がかからない | ・引き取り手とのやり取りを行う必要がある ・引き取り手が見つかるまでは定期的なメンテナンスが必要 ・運び出しなどの労力がかかる | ・引き取り希望者がすぐに見つかるとは限らない ・引き渡しまでの保管場所の確保が必要 |
洗濯機を処分する場合は「水抜き」を忘れずに!やり方をご紹介
「水抜き」とは、洗濯機内部や給水ホース・排水ホース内に残った水を排出させる作業のことです。
水抜きをせずに洗濯機を移動させると、室内への水漏れや洗濯機の故障などのトラブルが発生することがあります。
水抜き自体は1時間ほどでできますが、洗濯機内やホース内をしっかり乾燥させるために、できれば処分の前日までに行いましょう。
この章では、洗濯機の水抜きのやり方と注意点をご紹介します。
洗濯機の水抜きのやり方
①準備をする
●用意する道具類
・ドライバー…給水ホースのネジを外す
・洗面器またはバケツ…ホースを外した際に流れ出る水を受ける
・雑巾または汚れてもいいタオル…水抜き後の洗濯機やホースを拭く
・ビニール袋…取り外したホースなどの付属品をまとめる
●洗濯機の周囲を片付ける
周りに水が漏れてしまう可能性があるので、濡れては困る物は移動させておきましょう。
②給水ホース内の水抜き
洗濯槽内に何も入っていないことを確認したら、給水ホースがつながった蛇口を閉めます。
洗濯機の電源を入れて、標準コースで1~2分ほど洗濯機を作動させてください。
すると給水ホース内に残っていた水が洗濯槽内に流れ出てきます。
水が出なくなったのを確認したら運転を止めて電源を切り、給水ホースを取り外します。
③洗濯槽内の水抜き
洗濯機の電源を入れ、脱水のみで1~2分ほど運転させて水抜きをします。
その後、洗濯機を止めて電源を切り、洗濯槽内の水気をタオルで拭き取ってください。
④排水ホース内の水抜き
洗面器などの受け皿を用意して、排水ホースを排水口から外し、中に残った水を抜きます。
⑤取り外した部品をまとめる
給水・排水ホースや糸くずフィルター、ネジなどを失くさないようにビニール袋などにまとめておきましょう。
水抜きを行う際にはこの3つに注意しよう
正しい手順で行えば安全に水抜きできますが、ここではとくに気を付けていただきたいことを解説します。
●電源プラグやアースを濡らさないようにする
電源プラグやアースが濡れると洗濯機の故障の原因になります。
また、濡れた手で電源プラグに触れると感電の恐れもあり危険なので絶対にやめておきましょう。
●糸くずなどのゴミが溜まっている場合は先に掃除する
排水ホースや糸くずフィルターにゴミが溜まっていると、うまく水が抜けないことがあります。
そのような時は、先に排水ホース内や糸くずフィルターを掃除してゴミを取り除いておきましょう。
●自分で水抜きができない時は専門業者に頼む
自分で水抜きをするのが難しい場合は、引き取りを依頼する業者(買い替え店、購入店、不用品回収業者など)に相談しましょう。
引き取り時に、水抜きから対応してくれるところもあります。
洗濯機を処分する際の注意点!悪徳業者には気をつけよう
洗濯機を処分する際には、以下の3点に注意してください。
洗濯機の中は空っぽにしておく
洗濯機の中に衣類などの異物が入ったままだと、リサイクルの工程で異物が障害となってしまいます。
そのため、小売店への引き渡し時や指定引取り場所への持ち込み時には、異物が入っていないか再度確認してください。
もし入っていたら持ち帰らなくてはいけませんし、異物がこびりついているような酷い状況では回収を拒否されることもあります。
他の家電でも言えることですが、処分する際は異物を取り除き、中は空っぽにすると覚えておきましょう。
ただし、不用品回収業者へ依頼する場合は、中の異物も不用品の1つとして一緒に回収してもらえるようです。
家電リサイクル券の控えは保管しておく
引き渡し時に受け取る家電リサイクル券の控えには、「お問合わせ管理票番号」が記載されています。
インターネットや電話でこの番号を照会すると、引き渡した洗濯機が適切にリサイクル処理されたのかを確認できるのです。
そもそも家電リサイクル券は、家電4品目の引き取り・引き渡しを正しく実施し、またそれを管理・監視するための仕組みです。
私たち消費者も、適切なリサイクルを行うための責任の一端を担っているのです。
小売店や不用品回収業者に引き渡して終わりではなく、正しくリサイクルが行われたかをきちん見届けるようにしましょう。
無認可の不用品回収業者を利用しない
一般家庭から不用品を回収する場合、行政から一般廃棄物収集運搬業許可を得る必要があります。
この許可を得ていない業者だと、回収された不用品が適切に処理されたのかを自治体が確認することができません。
つまり、不法投棄などの違法行為をされる可能性があるということです。
また、不用品を中古品として買取する場合には、「古物商許可」を得ていなければいけません。
これらの許可を得ていない業者を利用してしまうと、不法投棄や個人情報の漏洩といった犯罪に巻き込まれるリスクが高くなります。
料金の安さなどについ目が行きがちですが、依頼する前には必ず許可を得た業者かどうか確認してください。
洗濯機の寿命って何年くらい?買い替え時期の目安は?
洗濯機の寿命は6~7年ほどと言われています。
メーカーでは、故障時の修理用に部品を保管していますが、規約により義務付けられた保管期間は6年間です。
ということは、製造から7年以上経っている場合は、故障しても部品がなく修理できない可能性があるのです。
また、製造から10年程度経過した洗濯機は機能が低下し故障しやすくなります。
内閣府の調査によると、電気洗濯機の平均使用年数は10.9年で、買い替え理由の第1位は「故障(77.5%)」でした。
洗濯機は、寿命である6~7年を過ぎたら、10年を迎えるまでに買い替えを検討するのが良いでしょう。
まとめ
洗濯機の処分方法は8種類ありますが、どの方法にもメリット・デメリットはあります。
「費用」「労力」「効率性」の3つを総合的に判断すれば、8種類の中から自分にぴったりの処分方法が見付かるでしょう。
筆者は、洗濯機が壊れた際、新しい洗濯機を購入したお店に引き取ってもらいました。
壊れていたため下取りはされませんでしたが、取り外し作業や搬出作業も任せられたのでとても満足しています。
処分後に後悔しないためにも、それぞれの処分方法を十分に比較検討してくださいね。